LTW festivalの突然の中止が「ステヤン案件か」と囁かれる中、「ステヤンって何?どういう意味?」という人が増えています。
数々のトレンドブログがステヤンを取り上げていますが、ステヤンの本質を理解していない人が多いので洋楽ファンである筆者が当記事で詳細にまとめます。
ステヤンって何?どういう意味?
音楽イベントプロデューサー、アートディレクター矢野貴志氏のことです。
主に英国アーティストの来日公演、英国公演をよく手がけています。
Oasis(オアシス)やThe Libertines(リバティーンズ)が大のお気に入り。
- 公演ドタキャン常習
- 直前まで公演詳細が決まらないグダグダ運営
- 自分に酔い過ぎな公式メッセージ
- 需要のないラグジュアリーさの演出
- 他責思考(公演キャンセルは自分のせいじゃないと言い張る)
などが特徴です。
Oasisの曲Stay Youngを引用し「Stay Young!」と文章を締めくくることが多いため、
「ステヤン」と呼ばれるようになりました。
以下のFacebookの投稿で「Stay Young!」を見ることができます。
[...]TokyoRocksというヒール(現在)ブランドでバズを始めるのか、新たなブランドで懲りずにクレイジーなストーリーを始めるのか、未だ明さないけど。nothing's gonna change my worldStay Young !
※ 元々は2013年に開催予定だったイベント「TOKYO ROCKS」のお知らせアカウントでしたが後に矢野氏の個人アカウントとなり、2014年を最後に更新が止まったようです。
ステヤン案件まとめ①ドタキャン編
2013年5月 TOKYO ROCKS中止
洋邦ロックファンに大きな衝撃を与えたのが、2013年のTOKYO ROCKS中止です。(※1)
2010年〜2012年にプロデューサーを務めたROCKS TOKYO(邦楽メインのフェス)の成功に気をよくした矢野氏。
2013年に味の素スタジアム5万人キャパ×2日間で洋楽・邦楽混合フェスを行う大規模イベントを企画したものの、開催1ヶ月半前に突如中止発表されることに。
当初は公演中止ではなく延期であるという含みを持たせた発表がされ、ここでもOasisの曲「Keep the Dreams Alive」にかけた言い回しで締めくくるというステヤン節が炸裂しています。
またゼロから、新しいTokyo Rocksを立ち上げます。賛同してくれるアーティストとスタッフと、オーディエンスと共に。I will keep the dream alive
後に正式に中止となり、当時は中止理由は明かされませんでしたが、
後のインタビューによると「騒音問題をクリアできなかったこと」が原因だそうです。
TOKYO ROCKSにはクリエイティブとキャスティングの担当として関わりましたが、主催はディスクガレージ。僕らは主催ではありません。中止すべきではないと言ったのですが、近隣への騒音問題がクリアできませんでした。
(※当時の公演関係者は取材に対し、「主催はTOKYO ROCKS事務局で、ディスクガレージは事務局を構成する4社のうち1社としてかかわったが、招聘の中心人物は矢野氏だった」と回答)*1
実質的な主催でありながら上記インタビューで「主催ではない」と否定したり、
「全て僕の責任」と言いながら「中止判断は僕達以外がした」と言うなど、
「まわりのせいで公演中止に追い込まれた」という思考が透けて見えます。
TokyoRocksは僕達が中止にしたのではなくて、僕達以外のコアメンバーが強引に中止にしました。プロデューサーである僕が、僕以外のメンバーに、納得できる状況を用意できなかった事、強引にでも開催できなかった事が全てです。結果全て僕の責任だと思います。全ての批判は僕が受けます。*2
ちなみに、このTOKYO ROCKSが突如中止になった影響でBlurが香港で5日間オフとなり、名盤「The Magic Whip」が制作されました。
怪我の功名というか、ステヤン最大の功績はこれなのかもしれません。
ステヤンのキャンセルが
— 𝕒𝕥𝕤𝕦shi (@titus1208) October 8, 2017
The Magic Whip 制作のキッカケだったのか pic.twitter.com/5fzvrbgIuk
2017年8月 音楽フェス「UTYO」中止
TOKYO ROCKSドタキャンで批判を浴びたステヤン氏でしたが、2017年にも再び公演キャンセルを起こしています。
Black Gapeとアラン・マッギーという渋いメンツ、告知時点でチケット代が発表されない、会場が駐車場など情報解禁時から不安要素がありました。
音楽フェス「UTYO」用の公式ホームページを公開したものの、公式ホームページ上では中止発表をせずホームページ自体を削除。
プレイガイドであるネクストロードのホームページからのみ中止発表をするという不親切さが波紋を呼びました。
2017年8月12日(土) お台場特設会場(東京お台場青海N地区)にて公演を予定しておりました「真夏の夕刻のラバーズロックUTYO ACT:Black Grape / Alan McGeeほか」は、当日使用する機材のフライトが間に合わず、公演の実施が困難になり延期となりました。*3
当時の公式発表、また後のインタビューによると「台風でフライトが飛ばず、機材が届かなかった」ことが中止の原因だそうです。
(お知らせには延期と書いてありますが、実際には中止になりました)
2024年7月 LTW festival中止◀️New!
そして2024年7月には、LTW festivalの出演者である斉藤和義、銀杏BOYZが開催直前に出演辞退を発表。
LTW festival公式からも開催6日前に中止発表があるという騒動がありました。
主催者側との契約条件が折り合わないこと、公演の準備も十分に進められないことから開催は不可能と判断し、やむを得ず斉藤和義の出演をキャンセルすることにいたしました。
主催者側とは開催を目指して協議を重ねてきましたが、度重なる約束違反や一方的な条件変更などがあり、残念ながら最後まで信頼関係を構築することができませんでした。(斉藤和義公式ホームページより)
公演に向けた連絡、協議が円滑に進まなかったためイベント主催者、ライブ制作担当者との打ち合わせを何度も打診してきましたが、それらの要望に対して適切な対応がなされることはありませんでした。(銀杏BOYZオフィシャルサイトより)
斉藤和義、銀杏BOYZがそれぞれ英国アーティストとのコラボを行う予定でしたが、開催直前まで1組しか決まっていなかったという状況。
「主催者、ライブ制作担当者の対応に問題がある」とする出演者側に対し、ステヤンも反論。
この度、共演を予定しておりました、英国アーティストのクリエイティブチームから、斉藤和義の最新ライブクオリティを確認しまして、共演を辞退すると連絡がありました。
出典:2024.07.28 斉藤和義magical mystery sessionsに関して
※例によって公式HPを削除して逃亡したため、WEB ARCHIVEを参照させていただきます。
7/28中止発表でもともと8/2・8/5開催予定なのに8/3時点ですでに公式ホームページを削除するという、来場予定者への超不親切設計は相変わらずです。
銀杏BOYZと斉藤和義が出演辞退、主宰がステヤン疑惑が加速し責任逃れを続けていたLTW Festival、ついにHPが消えました… https://t.co/P8KvL4xBRC
— Ai (@Ai_Tkgk) 2024年8月3日
銀杏BOYZのライブを確認した、英国共演者のクリエイティブチームの判断により、共演辞退が通知されました。
出典:2024.07.28 銀杏BOYZ Magical mystery sessions with VERY SPECIAL GUESTに関して
「日本のアーティストのクオリティが低くてコラボしてくれる英国アーティストが見つからなかった」とアーティストのせいにする姿勢に多くのファンは呆れています。
主催は英国のLouder than Magazineとはいえ、実質的に日本側のディレクションを取り仕切っていたのは矢野氏です。
また今後のインタビューで「主催はオレじゃない」と言い訳することでしょう。
ブログ執筆時点で公式Xのアカウント(@LTW_fes)は公開されていますが開催中止発表の投稿はなく、なぜかRockwell SirkusのXアカウントで中止発表のリンクを投稿しています。
— Rockwell Sirkus (@RockwellSirkus) 2024年7月28日
さらにInstagramの公式アカウント(@ltw_fes)には鍵をかけるというステヤン節を発揮中。
洋楽ファンのみならず、邦楽ファンにもステヤンの悪評が轟く結果となりました。
また、当初は「ヘッドライナー公演を別途開催する」と公演延期であるかのような発表していましたが、実際には公演中止から3ヶ月も経たないうちに公式ホームページはリンク切れに。
最後に英国アーティストがヘッドライナーとして延期、振替公演を行いますので、詳細は近日中に発表致します。
英国メディアと、共演を予定していたアーティストから、アナウンスが予定されております。
見栄えと諦めが悪いので延期と発表する
→続報がなく結局実質中止のいつものパターンです。
ステヤン伝説まとめ②グダグダ運営編
ステヤン主催=必ず中止になるわけではなく、もちろん無事に開催されたイベントもあります。
無事に開催されさえすれば、アーティストのパフォーマンス自体は好評です。
一方で、謎の強気価格や会場設定、直前まで公演詳細がわからないなどのグダグダ運営でファンはいつも不安を覚えながら参加しています。
この欄ではそんなステヤン運営のコンサートを振り返りましょう。
(Fivemanarmy、Across The Universe Japan、Rockwell Sirkusなど制作団体の名義がコロコロ変わりますが中身は全て矢野貴志氏が関わっています。)
2014年 Beady Eye来日
平日の横浜アリーナという攻めすぎた会場設定により、集客に苦戦。
2階席とアリーナ後方が全て暗幕が貼られる寂しい結果となりました。
また、アリーナなのになぜかライブハウスのようにドリンク代500円(終演後交換不可)を徴収。
しかも場内は飲食不可なのでロビーで開演前に飲み干さなければいけないという仕様が観客を戸惑わせました。
イベントに合わせてDJアラン・マッギーのトークショーが開催されたのですが、場所がドリンクバーの横でファンが呆れる事態に。
前夜祭イベントも予告されていましたが、こちらは特にキャンセルのアナウンスなく自然消滅となりました。
2016年 The Chemical Brothers来日
横浜・大阪でケミカルブラザーズを中心としたフェスを企画し、東京でも単独追加公演を実施。
フェス扱いだった横浜と大阪は前売10,790円、追加公演の単独ライブは前売8,000円でしたが、大阪は結局フェスではなく単独公演に変更。
大阪のチケットはフェス価格なのに単独公演、しかもなぜか東京横浜より短縮された公演時間となり、大阪のファンに不満が残りました。
※ 当時の公式ホームページ。音が出るので注意
2017年 Massive Attack来日
豊洲PITでSSエリア25,000円という強気の価格設定にファンが困惑。
また、エスパー伊東とコラボという謎采配がファンをさらに困惑させました。
※ 超円安の2024年でこそ洋楽公演が1〜2万円するのは普通になってきていますが、当時はまだ1ポンド140〜150円程度でした。
1万円以下の洋楽公演もある相場だったため、2017年で25,000円はかなりの高額でした。
2019年 国際音楽祭SOMEWHERE,
渋谷ストリームホールを1週間借り切って5日間Phoenix、2日間Carl Barat、JUSTICE、Friendly firesなどの公演を行いました。
スタンディングチケットがウェルカムスパークリングサケ付き(いらない)で12900円、JUSTICEやアラン・マッギーのDJセットが1時間で1万円と強気の価格設定。
単体チケットが売れなさすぎて1週間通し券を開催2ヶ月前に2万円で販売開始。
開催5ヶ月前の情報解禁時に高額で単体チケットを買ったファンがブチギレる結果となりました。
まとめ
ステヤンの悪評は洋楽ファンには轟いていましたが、今回のLTW festival中止で邦楽ファンにも悪評が伝わる結果となりました。
これだけやらかしておいて業界から干されないのが不思議でしょうがないのですが、お金と営業力だけはあるので何度でも再チャレンジできるようです。
I will keep the dream alive
Stay Young!
*1:
*3:ネクストロード公式サイトより。現在はリンク切れ http://nextroad-p.com/m/information/index.php?evid=1330